頭脳流出のわけ

雑 感

 ハーバード大学が揺れています。

 

 アメリカでの学問の自由は、日本国憲法23条のように直接規定するものではなく、合衆国修正憲法第1条の解釈により、間接的に認められています。学問を進めるにはお金がかかるので、政府は補助金を支給し、「金は出すが、口は出さない。」というスタンスで、学問の自由を支えています。
 ところが、アメリカ現政権は、いうことを聞かない大学への支給を打ち切った。「政府御用達のお勉強をしろ。さもなくば金は出さない。」と口を出した。

 歴史にはよくある話ですね。ドイツの焚書、中国のグーグル、ロシアのナワリヌイさん、香港の周庭さん、学徒出陣、特攻部隊。時の政権の傲慢な振舞いが、学問だけでなく、命までも。

 最近、「法の支配を尊重」という言葉をよく耳にします。日本の現政権もよく使われています。本来これは、「権力を法で拘束することにより、その恣意的な行使を禁止・抑制する」というもの。法律さえあれば何をしてもいいとする第2次対戦中のドイツや日本での法治国家の概念とは、真逆の考え方です。

 「憲法は、政府と国民との契約書である。」と一般的に考えられています。現政権は一方的に、契約である憲法条項を無視し、解釈を変更しようとしているかのようです。2014年7月、内閣が独断でしたように。

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